EOSファシリテーターの役割|会議を導く進行役の実践ポイント
「会議の進行役」と聞くと、軽い役目のように思われがちです。しかし、EOSにおいてこの役割は、会社の未来を左右するほど重要です。ファシリテーターは、会議中に参加者の意見を引き出し、本質的な課題をあぶり出し、チームを解決へ導く存在。その力が、組織全体の成長速度を大きく左右します。
特に、女性が多いチームや空気を読む文化が強い現場では、遠慮や感情に左右されて議論が深まらないこともあります。そんなときこそ、EOSの会議フレームと進行役の力で、建設的な対話を生み出すことが求められます。
会議あるあると、ファシリテーターの力

会議の悩みはどの職場にも共通しています。特に感情や人間関係に敏感なチームほど、以下のような“あるある”に陥りやすいものです。
- 会議が雑談で終わる
- 課題が出てもToDo化されない
- 同じ話が繰り返される
- 発言が偏り、意見が出にくい
これらを防ぐためにこそ、ファシリテーターの力が必要です。EOSの会議進行ツールを活用することで、感情に流されず、課題に集中しやすくなります。
ファシリテーターが担う6つの役割
役割 | 具体的な実践 |
---|---|
時間管理 | 各セグメントに時間を割り当て、会議を90分以内で終える |
アジェンダ進行 | EOSのアジェンダを軸に、議論の流れを整理して進行 |
発言の活性化 | 沈黙を恐れず、本音を引き出す空気づくり |
課題の明確化 | 「それは人の問題か?責任か?ルールか?」と掘り下げる |
解決と合意 | 誰が・何を・いつまでに、というアクションに着地させる |
会議の振り返り | 最後に全員が10点満点で採点。気持ち良さでなく、本質的解決に焦点を当てる |
毎週の10点満点ミーティング(L10ミーティング)は、組織にとっての定期的な健康診断。ファシリテーターとしての小さな工夫と意識が、チームを一歩前へ進める力になります。
議論にたどり着く会議のつくり方
EOSでは、「IDS(Identify・Discuss・Solve)」という課題解決プロセスが会議の中心に据えられています。
特にこの中で、**最も時間をかけるべきなのが「D=Discuss(議論)」**です。
なぜなら、この時間こそが、チームにとって最も価値のある瞬間だからです。
ただし、「議論」といっても、誰かの説明を延々と聞く場ではありません。
むしろ、全員が意見を持ち寄り、本音でぶつかり合いながら、真因を掘り下げていく時間なのです。
たとえば、表面的な課題に終始してしまうと、議論は進んでいるようで何も決まりません。
そのため、ファシリテーターは「それって本当の課題?」「誰に責任がある?」「今、何を解決したいのか?」と問いかけながら、本質的な議論にたどり着く場をつくることが求められます。
結果として、この「Discuss」にしっかり時間をかけることで、Solve(解決)フェーズが格段にスムーズになります。
つまり、議論は会議の“心臓部”であり、組織を前に進める原動力でもあるのです。
- 誰かの説明に時間を奪われない
- 参加者全員が自分の意見を持ち寄る
- 「なんとなくわかった」で終わらず、解決すべき“本当の課題”を見極める
女性チームや女性リーダーが多い職場では、「雰囲気」や「気遣い」が議論の壁になることもあります。だからこそ、ファシリテーターが空気に流されず、建設的な話し合いを導くことが極めて重要です。
ファシリテーターは「引き出す人」
議論の場をつくり、問いかけ、時に沈黙に耐えながらも真因を掘り下げる。それがファシリテーターの役割です。結論を出すのではなく、参加者の中から答えを引き出す。その姿勢こそが、チーム全体の成長を促すのです。
EOSのルールとツールを活用すれば、「性格」や「感情」による会議の停滞を減らすことができます。ルールに助けられることで、リーダー自身も冷静でいられる。これこそ、女性リーダーにとっての強力な武器となるはずです。
EOS関連記事
- 「課題を見える化する力」が女性リーダーを変える|EOSの課題リストとボトムアップの違いとは?
- 女性リーダー 5つの能力|EOSで育てる強いチームのつくり方
- 仕事の優先順位づけ|女性リーダーに必要な“石”の考え方
あわせて読みたい
▶ 議論を感覚で終わらせないために。
数字で語る女性リーダーへ|『No』を支えるEOSのスコアカード