成果を出す為の役割の作り方|EOSアカウンタビリティチャートに学ぶ

白いジャケットに赤いインナーを着た女性リーダーが笑顔で話している。記事タイトル『成果を出す為の役割の作り方|EOSアカウンタビリティチャートに学ぶ』のアイキャッチ画像 EOSツール実践ガイド

「チームの成果を出したいけど、役割をどう決めればいいのか分からない…」。また「気づけば業務リストばかり並べてしまう。結局、誰がどの成果に責任を持つのかがあいまいになっている」。こんな悩みを抱える女性リーダーは少なくありません。

この記事では、特に女性リーダーが成果を出すために不可欠な役割の作り方に焦点を当てます。細かい業務リストではなく「成果責任を持つ大きな柱」をどう定義すべきか。考え方と具体例を紹介していきます。

一般的な組織図は「誰がどの部署に所属しているか」を示します。しかし、EOS(Entrepreneurial Operating System®)のアカウンタビリティチャートは違います。示すのは「成果に責任を持つ役割(Seat=席)」です。役割を先に定義し、その後に人を配置することで、チーム全体が正しく機能する枠組みを描けます。

会社のビジョンから逆算して構造を決める

構造が先、人はあと

役割を考える出発点は「会社のビジョンを実現すること」です。EOSでは「構造が先、人はあと」と表現されます。まず成果を出すために必要な席(責任のポジション)を描き、その後に人を配置するのです。

ステップで考える流れ

  1. 会社のビジョン達成に必要な経営チームの席を決める
  2. それぞれの席に役割を明確にする
  3. GWC(Get it / Want it / Capacity to do it)で正しい人を配置する
  4. 各部門チームでも同じ流れで構造を描き、役割を定義し、人を配置する
  5. 小さなチーム単位でも繰り返し、成果責任を明確にする

成果が積み上がるイメージ

成果が積み上がるイメージ
現場の小さなチームが成果を出す

各部門チームが成果を出す

経営チームが会社全体の成果を出す

最終的にビジョンが実現する

この積み上げの流れこそがEOSの本質です。まず席(構造)と役割を決めます。その上で正しい人を配置することで、全社の成果へとつながります。

役割を定義する|成果責任の柱をつくる

白いジャケットに赤いインナーを着た女性リーダーが笑顔で前を向いている。役割を定義し、成果責任の柱をつくることをイメージした写真

経営チームでの役割決定が基盤になる

まず「経営チーム」で会社のビジョン達成に必要な席(機能)を決めます。それぞれの席には「果たすべき成果責任=役割」を定義します。こうして決めた役割は、自然に部門やチームの成果責任の枠をつくります。

チームの役割は「上位の役割を支える形で決まる」

たとえば経営チームで「セールス・マーケティングの責任」を定義したとします。その場合、マーケティングや営業のチームは、その成果責任を達成するためにどんな役割を担うかを考える必要があります。上の階層で役割を明確にすれば、下の階層で必要な成果責任が自然に浮かび上がるのです。

  • 「経営チームの役割 → 部門の役割 → チームの役割」と責任が落ちていくイメージ
  • 各レベルでの役割は成果を出す柱であり、業務リストではない
  • 上位の役割を果たすために、下位チームの役割が自動的に形づくられる

要するに、経営チームで「席と役割」を正しく描けば、各チームの成果責任は自然と決まります。だからEOSでは「まず構造(席と役割)」を決めることを重視するのです。

役割は業務リストではない

役割を決めるとき、細かい仕事を並べてしまいがちです。例えば「シフト作成」「会議準備」「資料作成」など。しかし、これらは業務であって役割(成果責任の柱)ではありません。

役割とは「チームが成果を出すために守るべき大きな責任」です。営業なら「新規顧客の獲得」、マーケティングなら「見込み客の創出」、バックオフィスなら「会社の基盤を整える」といったもの。これらは成果につながる柱として表現されます。

役割と業務を混同すると、ただのタスク管理表になります。そうなると「必要な成果責任」が見えなくなり、誰が何を担うべきかも不明確になります。だからこそ役割は「成果責任の塊」としてシンプルに定義することが重要です。

役割を決めるための考え方

役割を考えるときは成果を出すために欠かせない柱を意識します。営業なら「新規開拓」「既存顧客のフォロー」、マーケティングなら「リード獲得」「ブランド発信」、管理部門なら「基盤整備」「リスク管理」などです。

柱を洗い出したら、その下に具体的な業務をぶら下げるイメージを持つと整理しやすくなります。例えば「新規開拓」という役割の下に「テレアポ」「訪問」「提案書作成」などが入ります。

こうして「役割=成果責任の柱」「業務=柱を支える行動」と切り分けることで、アカウンタビリティチャートはシンプルで実践的な形になります。

まとめ|役割を定義することが成果への第一歩

組織で成果を出すには、まず「席(構造)と役割」を描くことが欠かせません。業務リストを積み上げるのではなく、成果責任を持つ柱を決めることで、チームの方向性が明確になります。

経営チームで定義した役割は、そのまま下位の部門やチームに落ちていきます。役割を柱として捉えれば「経営チームの成果 → 部門の成果 → チームの成果」という流れが積み上がり、最終的に会社全体でビジョンを実現できるのです。

ポイントの振り返り
・役割は業務リストではなく「成果責任の柱」
・上位の役割を基盤に、下位チームの責任が形づくられる
・EOSの本質は「構造が先、人はあと」

女性リーダーにとって役割を定義することは、チームを成果に導くための第一歩です。迷ったときには「このチームが果たすべき成果責任は何か?」に立ち戻ると、シンプルでぶれないマネジメントができます。

書籍紹介|『TRACTION』で学ぶEOSの実践

『TRACTION』は、EOS(Entrepreneurial Operating System®)の公式ガイドブックです。アカウンタビリティチャート、L10ミーティング、石(Rocks)、スコアカードなど。成果を出すためのツールが体系的に紹介されています。

本記事で解説した「構造が先、人はあと」「役割を成果責任の柱として定義する」といった考え方も、この書籍で詳しく説明されています。女性リーダーが「完璧主義から前進主義」へ切り替えるためのヒントが満載です。

仕組みを武器にして成果を出したいリーダーにとって、必読の一冊です。

『TRACTION』ビジネスの手綱を握りなおす 中小企業のシンプルイノベーション
ジーノ・ウィックマン 著

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