採用において「スキル・経験」の見極めは欠かせません。しかし、職務経歴書に書かれている内容だけでは、実際の業務レベルや再現性を正確に把握することは難しいのが現実です。
本記事では、応募者のスキルや経験を深掘りし、即戦力として活躍できるかを見極めるための質問例と面接設計のコツを紹介します。
なぜ深掘りが重要なのか
スキルは「ある」と言えても、それをどのレベルで発揮できるのか、またどのような環境で培ったのかによって実力の差は大きく変わります。とくに中途採用では、実務再現性の高い人材を見極めるために“深掘り質問”が必要不可欠です。
表面的な質問 | 深掘り質問 |
---|---|
〇〇の経験はありますか? | 具体的にどんな業務をどのように行っていましたか? |
チームで働いたことはありますか? | どんな役割を担い、どのような貢献をしましたか? |
リーダー経験はありますか? | どのようなメンバー構成で、どんな課題を乗り越えましたか? |
スキル深掘りのフレームワーク:STAR法
深掘りの基本フレームとして有効なのが「STAR法」です。以下の4ステップで質問を組み立てることで、応募者の経験と行動を具体的に引き出すことができます。
- S(Situation):どんな状況でしたか?
- T(Task):その中でのあなたの役割は?
- A(Action):実際に行った行動は?
- R(Result):その結果、何が起きましたか?
例:
「トラブル対応の経験があります」と言った応募者に対して、
「その時の状況は?」「あなたの立場は?」「実際にどんな対応をした?」「結果どうなった?」
という流れで具体化させることで、スキルの深度と再現性が明確になります。
職種別で押さえるべき深掘り項目例
職種 | 深掘りすべき観点 |
---|---|
営業職 | 提案内容/顧客理解力/数字への責任感/継続力 |
企画職 | リサーチ方法/企画立案の思考プロセス/社内調整スキル |
エンジニア | 開発言語・環境/課題解決力/チーム開発での役割 |
面接でスキルを見抜く質問テンプレート
- そのスキルを使って最後に成果を出したのはいつ?
- 今のレベルを10段階で自己評価すると何点?その理由は?
- 他者と比べてあなたの強みは何だと思いますか?
- このスキルを今後どう活かしていきたいと考えていますか?
チェックリスト:スキル深掘り面接の事前準備
- 履歴書・職務経歴書を事前に読み込み、確認したいスキルをメモ
- STAR法で質問を組み立てておく
- 職種特性に応じた評価軸を明確にする
- 評価シートを使って主観的評価を防ぐ
まとめ
応募者のスキルや経験を深掘りすることで、単なる“経験者”ではなく“活躍できる即戦力人材”かどうかを判断することができます。
STAR法の活用や質問設計の工夫で、見えにくいスキルの実力や再現性をしっかりと引き出しましょう。
次回は「応募者のモチベーションを見極めるポイント」について解説します。
コメント