「人を動かすのは、言葉よりも“数字”だった」。
そう気づいたのは、EOS(Entrepreneurial Operating System)を導入し、スコアカードを本気で運用してからです。数字に苦手意識を持つ女性リーダーは少なくありません。でも実は、数字こそがチームを動かす最強のコミュニケーションツールなのです。
この記事では、『人を動かす』で有名なデール・カーネギーの考え方と、EOSの実践ツール「スコアカード」の関係に注目し、数字が持つ“8つの力”を詳しく解説していきます。
なぜ“数字”が人を動かすのか?

言葉ではなく、数字で通じ合える
部下に「頑張って」と伝えるのは簡単ですが、それがどの程度の努力を意味するかは人によってバラバラです。数字は“主観”を排除し、共通言語として機能するため、伝わり方が圧倒的に明確です。
数字は言い訳を許さない
「やったつもり」「忙しかったから」などの言い訳は、数字には通用しません。EOSのスコアカードにおいては、“事実”としての行動結果だけが評価されます。これは、責任を引き受けるリーダーを育てる仕組みでもあります。
『TRACTION』が教える“数字の8つの効力”
EOSの公式書籍『TRACTION』では、スコアカードの導入によって得られる「数字の効力」が8つ紹介されています。それを以下にまとめます。
数字の効力 | 具体的な内容 |
---|---|
1. 主観的な会話を省く | 感情論ではなく、事実ベースで話せる |
2. 結果責任を明確にする | “やったかどうか”がはっきり見える |
3. 高い評価を生む | 責任感ある人は数字目標を歓迎する |
4. 透明性をつくる | 隠しごとができないオープンな文化へ |
5. 約束を生む | 数字=約束として認識され、行動が伴う |
6. 競争を生む | 健全な緊張感と挑戦心がチームに生まれる |
7. 結果を生む | 数字へのフォーカスが成果に直結する |
8. 問題の早期発見ができる | 数字のズレから異常にすぐ気づける |
キャプション:『TRACTION』で紹介されている「数字の8つの効力」
女性リーダーこそ「数字」と味方になるべき理由
数字は、気まずさを超えて信頼をつくる
日本の職場では、「責めていると思われるのが怖い」という理由で、部下の行動を明確に評価できないことがあります。とくに女性リーダーは、人間関係に配慮しすぎる傾向があります。
しかし、数字という“共通の基準”があれば、個人攻撃ではなく「事実をもとに話す」ことができます。これは、信頼を損なわずにフィードバックをするための強力な武器になります。
スコアカードは“やっている感”から脱却させる
「頑張ってるのに評価されない」という悩みは、数字で行動を見える化することで解消できます。EOSのスコアカードでは、行動の“見える化”と“約束化”が同時に起こります。
リーダーも部下も、毎週同じ数字を見て確認し合う習慣を持つことで、曖昧さやすれ違いが減り、チームに明確な方向性が生まれます。
数字が導く「責任あるチーム」のつくり方
スコアカード × アカウンタビリティチャートの相乗効果
スコアカードで「成果が見える化」され、アカウンタビリティチャートで「誰の責任か」が明確になることで、チームに自走力が生まれます。
これは、単なる数字管理ではなく、責任の所在が明確な“信頼できる組織構造”そのものです。
▶責任と役割の明確化で育てる女性リーダーの構造化マネジメント
数字を追う文化は「チームワーク」を壊さない
数字を追う文化は冷たいどころか、行動を揃え、信頼を深めるための共通言語になります。『人を動かす』で語られる「共感」や「認める姿勢」と、EOSの構造的アプローチが融合すると、驚くほどチームがまとまっていきます。
まとめ|数字は“人を動かす”力を持っている
「数字で人は動かない」と思われがちですが、実はその逆。数字だからこそ、人の信頼・責任感・行動を引き出せるのです。
EOSのスコアカードは、その仕組みを日常に落とし込むための最強のツール。言い訳のない、責任あるチームを育てるリーダーには欠かせません。
参考書籍:数字が人を動かす——その本質を学ぶ
本記事で紹介した内容は、EOSの公式書籍『TRACTION』に加えて、名著『人を動かす』(デール・カーネギー)にも通じる考え方です。
『人を動かす』では、人間関係を築くうえで「相手に重要感を持たせること」「承認されているという感覚」が人の行動を促す鍵であると語られています。これはEOSにおけるスコアカードやコアバリュー評価が、目標の可視化と称賛・承認を通じて人を“動かす”仕組みであることと重なります。
「数字は冷たい」「感情を扱えない」と思われがちですが、正しく使えば、数字こそが人のモチベーションを引き出す最強の言語となり得ます。数字で人を動かす本質を学びたい方にとって、この2冊はセットで読む価値があります。
▶︎参考書籍: