「課題が多すぎる」「会議で同じ話ばかりしている」。
こうした声が上がる組織には、ある共通点があります。
それは、“課題をどう扱うか”の基準があいまいなこと。
結果として、会議が迷走し、チームの行動もバラついてしまうのです。
この状況を打破するカギが、EOSの課題解決ツール「IDS」。
今回は、女性リーダーがチームを正しい方向へ導くために、このツールをどう活用できるかを解説します。
課題とは?“本質”を見極める力が求められる理由

感情に流されず、事実に向き合う
多くのチームでは、課題と感情が混在して議論される場面が多くあります。
たとえば「Aさんが冷たい」という声が出たとき、問題はAさんの態度ではなく、チーム内の役割や期待値のズレかもしれません。
このように、表面的な“症状”ではなく、背景にある“課題の本質”を見抜く視点が必要なのです。
女性リーダーが気をつけたい“共感のワナ”
特に共感力の高い女性リーダーは、部下の感情を尊重するあまり、事実の掘り下げが甘くなってしまうこともあります。
しかし、課題解決の第一歩は「感情を受け止めた上で、事実を冷静に見る」ことです。
感情に寄り添いながらも、本質を見極める力が求められます。
EOSの課題解決ツール「IDS」とは?
Identify(特定する)
まずは「何が本当の課題なのか」を明らかにするステップです。
たとえば「人手が足りない」という声の裏にあるのは、「採用基準が不明確」「マネジメント不在」「優先順位が曖昧」など、構造上の問題かもしれません。
表面の言葉に惑わされず、課題の根を掘り下げることが重要です。
Discuss(議論する)
課題の本質が見えてきたら、チームでアイデアを出し合いましょう。
この段階では、結論を急がず「全員が納得するまで話し合う」ことが大切です。
ただし、雑談や感情論に脱線しないよう、リーダーが進行をコントロールしましょう。
Solve(解決する)
最終的に「誰が・いつまでに・何をするか」を明確にし、ToDoとして行動に落とし込むステップです。
この段階が曖昧だと、せっかく議論してもまた同じ話を繰り返すことになります。
リーダーは必ず「行動ベースの合意」ができたかを確認してください。
女性リーダーが「IDS」を使うメリット
「察する」ではなく「明確にする」文化をつくれる
日本企業では「察する・忖度する」が美徳とされる傾向があります。
しかし、IDSを活用すれば、あいまいな問題提起や遠慮がちな発言が減り、「考えを言葉にする」「立場に関係なく本音を言える」風土が根づいていきます。
言いにくさを越えた“信頼の土台”が育つ
リーダーが「感情に流されずに話し合える土台」を用意すれば、チームは安心して本音を出せるようになります。
結果として、リーダーと部下の信頼関係も深まり、問題解決が日常化していきます。
EOS的「課題解決」と旧来型の違い
以下の表では、旧来型の問題処理と、EOSの「IDSプロセス」を比較しています。
どのように思考と行動が変化するのかをイメージしてみてください。
観点 | 旧来型の会議 | EOS「IDS」 |
---|---|---|
課題の捉え方 | 表面的な意見が並ぶ | 本質的な構造課題まで掘り下げる |
話し合いの姿勢 | 感情に左右される/空気を読む | 事実ベースで議論/率直な発言が推奨 |
結論の明確さ | 曖昧な方向性や理想論で終わる | 誰が・いつまでに・何をするか明確 |
まとめ|課題は“チャンス”と捉えよう
課題とは、組織の成長を止める“障害”ではなく、前進するための“入口”です。
女性リーダーが「課題を恐れず、冷静に扱う文化」を築けば、チームの信頼は高まり、業績にも必ずつながります。
EOSのIDSは、そのための強力なツールです。
「悩みを聞いてあげる」のではなく「構造的に解決へ導く」姿勢を、ぜひ身につけてください。