職場でこんな経験はありませんか?
- なんとなく空気が重い
- 問題があっても誰も言い出さない
- 気づいたらリーダーが一人で抱えている
これは多くのチームで起きている「課題の未処理状態」です。
特に、丁寧で共感力の高い女性リーダーは「誰かを傷つけたくない」「強く言えない」といった思いから、問題を抱え込んでしまう傾向があります。
課題を「見える化」するEOSの考え方

EOS(Entrepreneurial Operating System)では、課題や問題を“放置しない”ために、全ての懸念を「課題リスト(Issues List)」として記録・管理します。
これは感情や関係性に左右されず、“見える化”された課題にチーム全員で向き合うための道具です。
EOSにおける「課題リスト」の特徴
項目 | 内容 |
---|---|
目的 | すべての懸念・障害・チャンスを可視化する |
記載者 | 誰でも自由に追加できる(役職問わず) |
管理方法 | 週次のL10ミーティングなどで優先度をつけて処理 |
処理方法 | IDS(Identify・Discuss・Solve)の流れで解決 |
この「課題リスト文化」によって、リーダーだけが悩みを抱え込まず、チーム全体で課題を扱える“風通しの良い組織”がつくられていきます。
「ボトムアップ」との違いを整理しよう
よく似た言葉に「ボトムアップ」という考え方がありますが、EOSの課題リストとはアプローチも目的も異なります。
課題リストとボトムアップの違い
観点 | 課題リスト(EOS) | ボトムアップ |
---|---|---|
出発点 | 問題・懸念を可視化 | 現場からの提案・声 |
目的 | 課題の解決と前進 | 意思決定に現場を反映 |
処理方法 | IDSで構造的に解決 | 経営層が判断することも多い |
文化的背景 | 「問題を歓迎する」土壌 | 「意見を言える」職場風土 |
リーダーの役割 | 場を整え、解決を導く | 意見を拾い上げ、橋渡しする |
どちらも大切ですが、「課題リスト」は“感情や上下関係に左右されない仕組み”であり、リーダーの負担を軽減する道具になります。
女性リーダーが「課題リスト」を活用すべき理由
女性リーダーは、共感力・繊細さ・調整力といった面で優れていますが、
「対立を避けたい」「誰かを責めるように聞こえるのが怖い」
といった感情から課題を抱え込んでしまうことも。
だからこそ、「課題をリストに載せる」ことは、自分を守りつつ、組織を前進させる強力な手段になるのです。
課題リストは“感情のバッファー”になる
たとえば、
- 「Aさんの報連相が遅い」→感情的に言いづらい
- →「報連相のスピードに関する懸念」として課題リストに記載
このように、“人”ではなく“事象”に焦点を当てて可視化することで、議論がしやすくなります。
実践のステップ|女性リーダーのための課題リスト運用術
- 日常で「気になること」をメモ
ちょっとした違和感でも、まずは書き留める習慣を。 - 週次ミーティングで「課題リスト」にまとめる
チームで共有できる場に集約(GoogleシートなどでもOK) - 10点満点ミーティングでIDSする
優先度をつけ、Identify(特定)→ Discuss(議論)→ Solve(解決) - 感情ではなく事実ベースで話す
個人ではなく、課題そのものにフォーカス
まとめ|課題を「出せる」リーダーが組織を強くする
課題を“出す力”は、リーダーシップの証です。
特に女性リーダーにとって、感情や人間関係を尊重しながらも、組織を前進させる「構造的な解決力」が求められています。
EOSの課題リストは、誰もが安心して課題を出し合える組織文化を支える仕組みです。
「ためない」「抱えない」からこそ、チームの健全性が保たれ、リーダーも本来の役割に集中できます。
コメント