適材適所のリーダー配置は、企業の成果と成長を左右する重要な要素です。
女性リーダーの登用が進んでいます。
しかし、適性に合わないポジションへの配置は大きなリスクです。
本人だけでなく、チームや会社全体に悪影響を及ぼします。
本記事では、EOSのGWC理論を解説します。
「Get it/Want it/Capacity to do it」の3軸で人材を見極めます。
適した人材の見極め方と、ミスマッチによる問題点を解説します。
GWCとは何か?リーダー配置に活かす視点

EOS(Entrepreneurial Operating System)では、「GWC」を使って重要な人材の適性を見極めます。
これは単なる人物評価ではなく、「そのリーダーはその役割にふさわしいか」を客観的に見極めるための強力なフレームワークです。
要素 | 内容 |
---|---|
Get it(理解している) | 役割や責任の本質を理解しているかどうか |
Want it(やりたいと思っている) | 自ら進んでその役割を担いたいという意欲があるか |
Capacity to do it(能力がある) | 必要なスキル、時間、マインドを備えているか |
GWCに合わない配置がもたらす組織への悪影響
「GWCが揃っていない」状態のまま女性リーダーを配置すると、以下のような問題が起きやすくなります。これは女性に限らずすべてのリーダーに言えることですが、特に「女性活躍推進」という名目で無理に登用される場合、企業の期待と本人の本音に乖離が起き、早期離職やパフォーマンス低下を招くケースが多く見られます。
GWC未達の例 | 組織への影響 |
---|---|
Get it がない(役割を理解していない) | 指示が曖昧になり、部下が迷走する |
Want it がない(やりたくない) | 指導に熱意がなく、信頼を得られない |
Capacity がない(能力や時間が足りない) | 業務が滞り、他メンバーに負荷がかかる |
GWCを活かしたリーダー配置の進め方
リーダーの任命は単なる昇進ではなく、適性と責任のマッチングです。GWCでの評価は、次のような実務に落とし込むことで精度を高められます。
- 1on1面談で「やりたい気持ち(Want it)」を確認
- 職務理解度をチェックリストで評価(Get it)
- タイムマネジメントや判断力の実績で能力を確認(Capacity)
さらに、GWCの判定精度を高めるツールとして有効なのが、EOSで用いられる「ピープルアナライザー」です。
ピープルアナライザーを活用しよう
ピープルアナライザーは、GWCとコアバリュー(組織の価値観)に沿って人材を評価するツールです。GWCに対して「Yes」「No」だけでなく、「Not Sure(まだ判断がつかない)」という中間評価も設けられており、観察と対話を通じて最終的な適性を見極めていく仕組みです。
「Not Sure」は、昇格したばかりで実績が未知な場合や、新たな職務に挑戦し始めた段階などに用いられます。この評価をもとに、今後の育成や支援の方向性を定めることができます。
適性評価は「断定する」ためではなく、「育てる」ためのもの。
GWCとピープルアナライザーを組み合わせれば、女性リーダー候補の成長に合わせた配置や支援計画が立てやすくなります。
🔍 Not Sureとは?
ピープルアナライザーでは、Yes/Noだけでなく「Not Sure(ノット・シュア)」という選択肢も存在します。これは「まだ判断がつかない」「情報が不足している」などの理由で、YesにもNoにも振り切れない中間評価です。
たとえば、昇格後まもない・実績がまだ不明・周囲とのギャップがある等の場合に使用します。
Not Sureがある場合は、その後の観察や対話によって判断を明確にしていく必要があります。
EOSではこの中間評価を排除せず、「育成の余白」として捉え、改善や成長のきっかけにするという考え方が根付いています。
曖昧さの中にこそ、育成と変化のチャンスがあるのです。
女性リーダー育成におけるGWCの意義
多くの女性は、リーダーに任命されることよりも「向いているか不安」と感じる傾向があります。GWCの観点を共有することで、「あなたにはこの役割が向いている」「今はCapacityを育てる段階」といった、前向きな対話が可能になります。
得意なこと、興味があること、自信を持てること。そうした“しっくりくるリーダー像”を一緒に言語化し、女性ならではの強みを活かすポジショニングができれば、本人も周囲も納得感をもって進むことができます。
関連記事|ziteki-woman.com もチェック
▶ わたしに合う仕事の見つけ方|GWCで納得の働き方を選ぼう
▶ 女性自身が「GWC」に気づくことは、自律的なキャリア形成にもつながります。組織と個人の両面から、納得できるリーダーシップの在り方を考えてみましょう。
コメント