レーザービームで狙い撃ち|EOS「石(Rocks)」で課題解決

笑顔の女性と「レーザービームで狙い撃ち EOS『石(Rocks)』で課題解決」の文字が入ったアイキャッチ画像 EOSツール実践ガイド

「会議では重要案件を決めたはずなのに、いつの間にか進まなくなっている」。また「日々の業務に追われ、経営の優先課題が後回しになる」。これは多くの中小企業が直面する共通の課題です。限られた人員と時間で成果を出すには、経営チーム全員が同じ方向に集中する仕組みが欠かせません。

そこでEOS(起業家型組織運営システム)が提案するのが「石(Rocks)」です。四半期ごとに最重要課題を設定し、日常業務に埋もれさせず確実に達成へ導きます。さらに、女性リーダーの登用や育成にも効果的で、現場と経営の視線をそろえる力があります。

書籍『TRACTION』では、この石を短期的な集中力を生み出すツールとして紹介しています。次に、その特徴と効果を具体的に解説します。

石(Rocks)とは?

石(Rocks)は、90日という限られた期間で必ず達成する最重要課題です。日常業務に追われて後回しになりがちな重要テーマを、あえて短期集中で進めるための枠組みです。

『TRACTION』では、この仕組みを「レーザー光線」のようにエネルギーを一点に集める方法として紹介しています。そして同書の中で取り上げられているアル・ライズ著『フォーカス! 利益を出しつづける会社にする究極の方法』は、「あれもこれも」ではなく一つのことに集中する重要性を説いています。この考え方は、石(Rocks)と非常に親和性があります。

TRACTIONに出てくる“フォーカス”の2つの使われ方

長期的なフォーカス(ビジョン)

会社全体の方向性をぶらさず、経営の軸を保ち続けることです。市場や顧客ターゲットを明確化し、「やらないこと」を決めます。その結果、本当のフォーカスが生まれます。

短期的なフォーカス(石)

四半期単位で集中するテーマを決め、チーム全員で注力します。たとえば売上の向上や、新サービスの立ち上げです。レーザー光線の比喩が示す通り、力を一点に集めると成果のスピードと質が一気に高まります。

石(Rocks)がもたらす効果

石(Rocks)を導入すると、組織の動きが一気にシンプルになります。優先順位が明確になり、無駄が減ります。そのため、成果と一体感が生まれるのが最大の効果です。

効果説明
優先順位の明確化チーム全員が「今やるべきこと」を正しく共有でき、集中すべき方向性がはっきりと見えるようになる。
無駄な動きの削減業務の脱線や後回しを防ぎ、行動の方向性が全員で一致することで、生産性が高まっていく。
成果の加速エネルギーを一点に集めることで、達成スピードと質の両方が高まり、成果が目に見えて出やすくなる。
チームの一体感同じ方向を向いて動くことで、自然と連帯感が生まれ、組織全体の結束が強くなっていく。
表:石(Rocks)を導入することで得られる4つの主要な効果

現場あるある|石が必要なサイン

日々の業務に追われ、重要なことが後回しになってしまうことがあります。こうした現場の混乱は、多くの場合「石(Rocks)」の仕組みで防げます。以下は、その必要性を示す典型的なサインです。

  • 集中しようと思っても、上司の一言で優先順位が変わり、元々やるべき事が後回しになる
  • 「大事なこと」はわかっているけど、数が多すぎて何から手をつければいいかわからない
  • やるべき事が「誰の責任範囲」なのか不明確で、進まない
  • 毎週の会議で話題が散らばり、結局どれも中途半端で終わる
  • 重要案件が日常業務に埋もれ、期限間際に慌てて動く
  • プロジェクトが複数同時進行し、各メンバーが消耗してしまう

石の設定方法(EOS流)

  1. 90日の世界を意識
    人は90日を超えると集中力が落ちます。そのため四半期で設定します。
  2. 3〜7個に絞る
    多すぎると集中が分散します。会社全体の石は7個以内が理想です。
  3. 明確な達成基準
    「達成できた」と判断できる具体的な数値や行動レベルで定義します。
  4. オーナーを決める
    誰が責任を持つのかを明確化します。複数人で共有しないことが重要です。

女性リーダーと“石”の親和性

オフィスで笑顔を見せる女性リーダー。EOSの石(Rocks)を活用し、チームの優先課題に集中しているイメージ。

女性リーダーは多方面に気を配る傾向があります。そのため日々の業務に埋もれやすい特徴があります。石を活用すれば、短期集中の枠をつくり、エネルギーを分散させず優先事項を進められます。さらに、チーム全員の視線を揃えることで、モチベーション管理や達成感の共有もしやすくなります。

まとめ

「フォーカス」は長期ビジョンと短期目標の両方で必要です。

石(Rocks)は、組織にレーザー光線のような集中力を生み出すEOSの重要ツールです。

アル・ライズの『フォーカス!』が説くように、“やらないこと”を明確にし、全員で同じ方向に集中することが、利益を出し続ける企業への近道です。

成果を出し続ける企業は、この短期集中の積み重ねでビジョンを現実にしています。

あなたのチームにも、まずは四半期の石を設定するところから始めてみませんか。

参考書籍紹介

「選択と集中」の重要性を、豊富な事例とともに解説した一冊です。あれもこれも手を出すのではなく、最も価値を生み出す領域に経営資源を集めることが、企業の持続的な成長につながります。この考え方は、石(Rocks)の本質そのものです。

『フォーカス! 利益を出しつづける会社にする究極の方法』
アル・ライズ 著

EOS(起業家型組織運営システム)の公式ガイドブックです。石(Rocks)をはじめとする経営ツールの使い方が実践的に解説されています。特に「90日の世界」という短期集中の考え方は、中小企業が成果を加速させるための具体的なヒントとなります。

『TRACTION』ビジネスの手綱を握りなおす 中小企業のシンプルイノベーション
ジーノ・ウィックマン 著

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