「誰を採用するか」“正しい人”を見極める視点|女性採用とEOS

白いスーツに赤いインナーを着た女性が明るいオフィスで笑顔を見せている。女性採用とEOSをテーマにした「誰を採用するか」を考える記事のアイキャッチ画像。 EOSを活かした育成支援

「良い人が採れない」「自発的に動ける人が来ない」。
そんな採用の悩みを抱える企業は少なくありません。

ですが、本当に見直すべきなのは、採用のやり方ではなく、誰を採るかという“判断基準”かもしれません。

この記事では、女性採用における「正しい人の見極め方」を、EOS(Entrepreneurial Operating System)の視点と、書籍『ビジョナリー・カンパニー2』や『Who Not How』のエッセンスを交えて解説します。

これからの時代、企業が本当に採用すべき人材とは?
そして、その見極めにおいて最も大切なポイントとは何でしょうか。

「誰を採用するか」が会社の未来を決める

Jim Collins著『ビジョナリー・カンパニー2』には、次のような印象的な言葉があります。

「最初に何をするかではなく、誰をバス(会社)に乗せるかが重要だ」

これは「戦略より先に、人を正しく選ぶこと」の大切さを示しています。
企業がどんなに立派なビジョンを掲げても、それを共に実行する「正しい人」がいなければ、成果は出ません。

この考え方は、EOS(Entrepreneurial Operating System)にも完全に一致します。
EOSの根幹にあるビジョントラクションシート(V/TO)では、最上位に“Core Values(コアバリュー)”が位置づけられています。

つまり、採用判断の最重要基準は「コアバリューと一致しているか」
スキルや経験ではなく、価値観で人を選ぶ。この視点こそ、長期的に成果を出せるチームをつくるカギです。

そしてもうひとつ大切なのが、「Howではなく、Whoを問う」という視点。
これは書籍『Who Not How』に通じる発想で、「誰が最適な人材か」を最初に考えることが、すべての始まりだとされています。

次章では、女性採用において企業が本当に求めるべき「正しい人材」の条件を、8つの視点から具体的に紹介していきます。

こんな人と働きたい|採用基準として見るべき8つの視点

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ここでは、女性採用において企業が本当に求めるべき“正しい人材”の特徴を、8つの視点から紹介します。
すべてEOSの価値観や評価基準とも深くリンクしており、採用判断の軸として非常に有効です。

1. この仕事が好きでたまらない

「好き」は、継続と成果の原動力。
情熱を持って仕事に向き合える人は、壁にぶつかっても前向きに乗り越えようとします。
EOSでいうW(Want it)=やりたい意志を持っていることが、採用基準の第一歩です。

2. 自分から役割や責任範囲を進んでやる

「言われたことだけやる人」ではなく、「自分の役割を理解し、自発的に動ける人」。
EOSではこれをアカウンタビリティ(責任を持つ)と定義し、組織の前進に欠かせない要素としています。

3. 自ら勉強する

指示を待つのではなく、わからないことを自分で調べ、学び続ける姿勢。
これはG(Get it)C(Capacity to do it)の土台にもなり、組織の学習文化に貢献します。

4. 想像以上の成果を出す

求められた基準を満たすだけでなく、それを上回る成果を出そうとする姿勢は、企業にとって非常に貴重です。
単に「できる人」ではなく、「期待を超える人」を採用しましょう。

5. 突き進む力がある

困難や反対に直面しても、前を向いて進み続ける力。
女性リーダー候補にとって、この“やりきる力”は組織の突破力になります。

6. 生産性を常に意識している

時間の使い方や成果の出し方に対して敏感であることは、チーム全体の効率を底上げします。
これはEOSのスコアカード文化にも通じる資質です。

7. 最終的には会社の利益を考えられる

与えられた業務だけでなく、「この行動は利益につながるか?」と視点を上げて考えられる人。
企業の持続可能性にとって不可欠な考え方であり、経営視点のある女性リーダー候補として非常に魅力的です。

8. 受け身ではなく率先して動く

何かを待つのではなく、状況を見て自ら動く力。
「問題を見つけたら自分ごととして行動できる」人材は、課題解決型組織の核になります。

こうした人物像を採用するうえで、最後に立ち返るべき判断基準があります。
それが「この人は、私たちのコアバリューを体現してくれるか?」という問いです。

どれだけ能力が高くても、価値観がずれていれば、やがて衝突や離脱につながってしまいます。
だからこそ、採用において最も重視すべきなのは「合っているかどうか」
この視点は、EOSの中でも明確に位置づけられています。

採用の最重要ポイントは「コアバリューとの一致」

EOSでは、ビジョントラクションシート(V/TO)の最上段にCore Values(コアバリュー)を位置づけています。
これは「企業が大切にしている価値観」であり、すべての判断の基準となるものです。

つまり、会社として何を大切にするのかを明確にしたうえで、「その価値観と一致する人だけを採用する」というのがEOSのスタンスです。

たとえスキルが高くても、コアバリューと合わない人材は、やがて組織の雰囲気や方向性にズレを生み、摩擦を起こします。
その結果、周囲のモチベーションを下げたり、早期離職につながったりすることも少なくありません。

採用基準スキル重視の採用コアバリュー重視の採用(EOS)
判断基準能力・経験・資格価値観・姿勢・文化適合
即戦力性短期的には高い育成前提・長期で活躍
チームへの影響個人プレー・孤立の可能性文化醸成・一体感が生まれる
離職リスク合わなければ早期離職価値観が合えば定着しやすい
EOS的視点GWCの「C」だけに偏りがちG・W・C+コアバリューを重視

一方、コアバリューと一致する人は、自然と行動が揃い、文化が育ち、チームが一体感を持って動けるようになります。
これは一朝一夕ではなく、採用の段階で“入口からフィルターをかけておく”ことが最も重要なのです。

特に女性採用では、「人間関係の雰囲気」や「価値観の共有」が働きやすさ・定着率に大きく関わってきます。
だからこそ、EOSのように構造として価値観を優先する採用基準は、女性人材の活躍促進にも直結します。

Who Not How の採用思考とは?

書籍『Who Not How(フー・ノット・ハウ)』では、「どうやるか(How)」よりも「誰に任せるか(Who)」が重要だと語られています。

この考え方は、採用にもそのまま当てはまります。
採用とは、単に人手を補う行為ではなく、「未来を任せられる人」を見極める戦略的行動だからです。

「どんなスキルがあるか」よりも、「この人がこの役割に最適か」という視点。
そしてそれを判断するのが、EOSでいうGWCです。

G:Get it(理解している)
W:Want it(やりたいと思っている)
C:Capacity to do it(できる能力・時間がある)

この3つを満たしているかどうかは、履歴書では見えません
面接やコミュニケーションを通じて「コアバリューと合うか」と併せて見極める必要があります。

また、Who Not Howの考え方では、「任せられる人がいることで、あなたはあなたの本来の仕事に集中できる」とされています。

つまり採用とは、「自分がやらなくてもよいこと」を“適切なWho”に渡していくプロセスでもあるのです。

女性の採用においても、受け身で指示待ちの人ではなく、責任を引き受け、自分の力を活かして貢献したいと願う“自走型のWho”を選ぶことが、チームの活性化と成長を生み出します。

「How」ではなく「Who」から考える。
その視点を採用に取り入れたとき、会社は一段としなやかに、そして力強く進化し始めるはずです。

まとめ|誰と働くかが、組織のすべてを変える

採用において最も大切なのは、「何ができるか」よりも「誰と働きたいか」。
これは『ビジョナリー・カンパニー2』の「誰を船に乗せるか」、そして『Who Not How』の「任せる相手を見極める」という考え方と一致します。

EOSでは、ビジョントラクションシート(V/TO)の最上位にコアバリューを置き、価値観が合う人を採用することを何よりも重視します。
そしてその人物が役割にフィットしているかは、GWC(Get it / Want it / Capacity)で確認できます。

スキルや経験ではなく、価値観と可能性で選ぶ。
それが“正しい人”を採用するということ。女性採用でも、ここを見誤らないことが組織成長のカギになります。

「この人と一緒に働きたい」と本気で思える“Who”を選ぶこと。
それが、これからの採用に求められるリーダーの決断です。

書籍紹介|採用の視点を変える2冊

この記事では、採用を“戦略的な意思決定”ととらえるうえで、以下の2冊をベースにしています。
どちらも、「誰を選ぶか」が組織の未来を決めるという点で共通したメッセージを持っています。

どちらも、EOSを導入する企業にとって非常に実用的な示唆を与えてくれる書籍です。
採用・育成・チームビルディングに携わる方は、ぜひ一度読んでみてください。

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